伊豆半島 2019 1 27

書名 ドローンで迫る伊豆半島の衝突
著者 小山 真人  岩波書店 岩波科学ライブラリー 268

「伊豆半島は、日本ではない」
 これでは誤解を招くので、
伊豆半島は日本列島ではないと書くべきかもしれません。
 伊豆半島は、「フィリピン海プレート」の先端にあり、
フィリピン海プレートが、ナイフのように日本列島に突き刺さっていて、
その先に「富士山」があり、日本アルプスの山々があります。
 山岳地図で見れば、日本列島の中央部は、
カタカナの「ハ」のようになっていますが、
これは、フィリピン海プレートが日本列島に突き刺さっているのが原因です。
 さて、一般の人が、地学や地質学の最先端を見ようと、
伊豆半島を見に行っても、なかなか、その特異性を見ることはできません。
 さりとて、航空写真で伊豆半島を撮影しても、
平面性が強調されて、その特異性を知ることは難しいでしょう。
衛星写真では、なおさら難しいでしょう。
 しかし、現代では、「ドローン」という便利な道具ができました。
地学や地質学の最先端を見るには、ドローンが最適でしょう。
 この本には、ドローンによる迫力ある写真が多く、
写真集としても役立つでしょう。
 地学に興味がない人でも、伊豆旅行の参考になるでしょう。
圧巻なのは、松崎町の烏帽子山と雲見温泉街でしょう。
山が海に迫るような険しい海岸線に温泉街があります。
 ところで、最近は、便利にドローンを利用する人が多いでしょうが、
ドローンは、航空力学の結晶でしょう。
航空力学の計算は、難しいものがあると推定します。
いわゆる「棒倒し」の力学が必要になると聞いたことがあります。
 それに比べれば、固定翼の航空力学は、簡単と言えるかもしれません。
固定翼→ヘリコプター→ドローンと、航空力学の難易度は上がっていきます。
だからこそ、ドローンが最後に登場したのか。
ちなみに、ヘリコプターの場合は、回転翼と言います。
ヘリコプターを日本語にすると、「回転翼航空機」になります。
 ところで、空を飛んでいる鳥の「航空力学」は複雑です。
現代科学を使っても、「鳥ロボット」を作るのは困難です。

ドローン 2018 7 1

書名 「ドローン」がわかる本
著者 I/O編集部  工学社

 ドローンについては、論点が多いので、
まず何から始めましょうか。
 最初は、経済や経営の話から始めましょう。
アメリカには、「GoPro」というメーカーがあります。
 この会社は、動画を撮影するカメラとアクセサリを製造する会社であり、
このカメラは、どのように使うかというと、
以下のような使い方が提案されています。
 自転車のヘルメットにカメラを取り付けて、景色を撮影する。
あるいは、登山する時に、ヘルメットに取り付けて、
登山の風景を撮影する。
 「GoPro」は、優れた会社ですが、
「株価は低迷中」という記事を読んだことがあります。
 私の記憶が正しければ、以下の理由だったと思います。
「GoPro」は、自社のカメラを搭載した「ドローン」を発売したが、
うまく行かなかったという。
 このような経営判断は、正しかったと思います。
自社製品を有効に活用できる分野へ進出したことは、
経営判断としては、間違いがなかったのです。
 しかし、ドローン市場には、
圧倒的な勝利者で支配者がいたのです。
それは、中国のメーカーで「DJI」という会社です。
 この会社は、低価格で優秀な製品を作るので、
誰も勝つことはできなかったのです。
 次は、法律の話をしましょう。
ドローンを飛ばせる場所は、どこか。
結論から言うと、飛ばせる場所は、ほとんどないということになります。
 ドローンは、「航空法」の規制対象です。
航空法が定める「飛行禁止区域」は、以下のとおりです。
空港などの周辺の空域。
地表や水面から150m以上の高さの空域。
人口集中地区の上空。
 以上が航空法の規制ですが、
私が考えるのに、民法上の規制があると思います。
私有地及び公有地の上空。
 土地の所有権が上空何メートルまで及ぶか知りませんが、
所有者に許可を求める必要があります。
 こうしてみると、ドローンを飛ばせる空域は、
全くないかもしれません。
学術的な調査は、例外かもしれません。
 そこで、最近では、体育館のような施設を借りて、
室内でドローンを飛ばして楽しむということがあるそうです。
 それでは、ドローンは使い物にならないか。
いや、産業用では大いに役立つと思います。
 農家が自分の「田んぼ(水田)」の作物を観察するに役立ちます。
稲作の田んぼになると、広大な面積があり、
農道から観察しただけでは、水田全体の様子がわかりません。
農家としては、鳥になりたいと思ったことが必ずあるはずです。
 ドローンを使えば、水田全体を観察でき、
作物の発育状態をチェックすることができます。
 もうひとつ書きましょう。
航空法で、鉄道の駅舎と線路の上空を飛行禁止にすべきです。
鉄道は、見かけによらず「精密設備」だからです。
 もちろん、鉄道会社が線路を点検するのに、
ドローンは役立つと思います。






































































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